November 21, 2005

糸式トムヤムクン

レシピ続きですが、以前に他の場所で書いたトムヤムクンの作り方を教えて欲しいと友達に言われたので再掲します。本場タイでの「トムヤムクン」は、日本でいうところの「味噌汁」のようなもので、各家庭や地方によって味も作り方も違うそうですが、これはバンコクでレストランを経営しているタイ人の肝っ玉母さんに教わった作り方です。

-----
基本の作り方
<材 料>(1人分) ※食材についての詳しい解説は↓下の方をご覧下さい
有頭海老 3〜5尾 / ヘッドファーン 3個 / バイマックルー 2枚 / カー 3枚 / レモングラス 1本 / チキンスープ 1カップ / ナンプリックパオ 大さじ1
お好みで ナンプラー / プリッキーヌー / マナオ / パクチー 各適宜

<下準備>
有頭海老は頭と殻をむいて(注:捨てないで!)、竹串等で背腸を(←こっちは捨ててもいいです:笑)取る。 ヘッドファーンは縦に半分くらい(食べやすい大きさ)に切る。 バイマックルーの真ん中の筋を取り除き、手で2〜3個にちぎる。 レモングラスは5センチくらいの長さに切って包丁の背で軽く叩く。 カーは2mm程度の薄切りにしておく。

<作り方>
1.鍋にチキンスープを入れ火にかけ、沸騰したら(ぬるいうちに入れると海老の臭みが出ます)海老の殻と頭入れ、弱火でコトコト煮込み、海老のダシがよ〜く出たところで一旦火を止める。

2.1のスープから海老の殻と頭だけを取り出す。 頭の部分は、スプーンの柄やバターナイフ等、ヘラ状のものでミソを掻き出して鍋に戻す(火傷に注意)。ここで殻と、ミソを絞り取られた頭は用済みになりますので捨てて下さい。
※海老のミソがミソ(寒い・・・)なので、必要とあらば包丁で半分に割り、一滴残らずミソを取る覚悟で丁寧にやりましょう。 頭部分は殻ごと入れておいて、食べる時に割っても良いです。が、かなり手が汚れます。小さなお子さんがいる場合は、咄嗟に子供を触れなくなるので、予めミソを取り出す方法をオススメします。

3.2のスープを再び火にかけ、バイマックルー・カー・レモングラスを入れてひと煮立ちさせ、ヘッドファーンを入れて更に煮る。

4.ナンプリックパオを入れて味見する。 塩味が足りなければナンプラー、辛味が足りなければプリッキーヌー、酸味が足りなければマナオを絞って入れ、味を調える。

5.海老(本体)を入れひと煮立ちさせ、海老に火が通って赤くなったらお好みでパクチーを入れ、すぐに火と止める。

6.できあがり!どうぞ召し上がれ〜。酸味が好きな方は、食べる直前にもう一度マナオを少し絞るとおいしいです。

-----
食材の解説と代替材料
■有頭海老
お手頃なブラックタイガーかゴージャスなロブスターまで、頭がついてる海老なら何でもOKです。どうしても頭がついてる海老が手に入らなければ、尻尾だけの海老で我慢しましょう(涙)
有頭海老の代わりに蟹(渡り蟹のようなダシを取る小型のもので充分です)や、蟹ミソの瓶詰め等が入手可能な場合、入れましょう、入れましょう。ぐぐ〜っとおいしくなります。
いずれも入手困難な場合は、味噌(日本の。合わせ味噌が良い。)とかつおだしを入れると、ややマイルドながらも美味しく出来上がります。

■ヘッドファーン
和名:ふくろ茸。日本ではほとんど栽培されていないとかで、デパート等に缶詰のものを売っていますが若干高価です。 少し歯ごたえがあるキノコ類なら代用可。私はエリンギかマイタケ、シメジを使います。シイタケとエノキはいまひとつでした。試した事はありませんが、生マッシュルームでもおいしいのでは?

■バイマックルー
和名:こぶみかんの葉、英名:カフリライムリーフ。柑橘系の香りがする葉っぱです。 ミカンやマンダリンオレンジの皮を、裏の白い繊維をある程度取り除き、表のワックスを塩で揉んでから水洗いして使うと、それらしい香りは出せます。 皮を使う際は、1で海老の殻を煮込んでいる最中に入れ、2〜3分煮て香りが出たところで引き上げましょう(煮すぎるとドロドロになってしまうので)。

■カー
タイのショウガ。形は日本のショウガに似ているけど、香りが断然強いです。和名:南姜(なんきょう)
これは、普通のショウガでOKでしょう。皮をむいてスライスして使います。 むいた皮を1に入れて煮込むと、より本場の香りに近づきます。皮を入れる時は、海老の殻と一緒に引き上げる事を忘れずに。

■レモングラス
レモンの香りがするハーブ。乾燥したものの方が手に入りやすいです。ハーブティー専門店などにもあります。レモン・すだち・ライムの皮(ミカン同様、皮のワックスは塩でこすり洗いする)をすりおろして入れると、香りがでます。

■チキンスープ
固形のスープの素や、中華料理の調味料として売られているトリガラスープを溶いたもの。チキンを茹でて調理する時に出たスープを再利用する事も可。

■ナンプリックパオ 
ペースト状の調味料。通常は瓶詰めにされて売っている。粉末のインスタントトムヤムクンで代用可。 作り方は↓をご参照下さい。

■ナンプラー
塩漬けの魚を発酵させて作った醤油。タイ料理の基本となる調味料なので、ぜひ1本欲しいところ。 ベトナム料理のニョクマム、秋田のしょっつる等で代用可。でも、家の近所のスーパーや無印良品でも売ってるので、むしろナンプラーの方が手に入りやすい気がします(笑)

■プリッキーヌー
青唐辛子。赤唐辛子の比じゃないくらい辛いです。食べると口から火を吹くかと思うほど辛いので、ちょっとしたゴジラ気分が味わえます。その後、止めどない涙と鼻水が流れ、数時間は口の感覚が麻痺します。赤唐辛子の輪切りだけでも辛さは出ますが、青臭さを出したい場合はシシトウの輪切りを少し入れるといい感じです。

■マナオ
タイのライム。日本で手にはいるもので一番味と香りが近いのはスダチ。ライム、レモンでも代用可。

■パクチー
英名:コリアンダー 和名(中国名?):香菜。独特の香りがクセになる葉野菜。タイ料理では根に近い部分をよく使う。 セロリの葉、パセリ等を試してみましたが、代用するくらいなら入れない方がいいかも。あの香りが嫌いという人も、入れなくてもおいしくいただけます。
が、あの香りがたまらなく好きという方は、大手デパートや中国系の食材店を探してみて下さい。乾燥したものは、スパイスのコーナーでよく見かけます。
それでも手に入らなかったら、ホームセンターや園芸用品店でコリアンダーの種は比較的よく売っていますので、自給自足しましょう。栽培は、プランターや小さな鉢でできるのでマンション等のベランダでも大丈夫。そんなに難しくないです。

-----
ナンプリックパオの作り方
<材料>
干し海老・ホムデン(小型の赤玉ねぎ。普通に見る赤玉ねぎとは別物です。和:エシャロット、英:シャロットに近い。玉ねぎやシャロットで代用可)・ニンニク・唐辛子・カピ(蝦醤。小海老を塩漬けにして発酵させたもの、生の小海老と塩で代用。または、カツオの塩辛、韓国料理に使うアミの塩辛でも良い)・砂糖・塩 各適宜(ほぼ同量づつくらい。お好みの配合を研究して下さいね)
<作り方>
上記の材料を油で炒め、砂糖と塩で味付けし、クロック(タイ料理に使う小型の石臼。すり鉢かフードプロセッサーを使う)でペースト状にします。

-----
更に簡単な作り方
トムヤムクンのペーストが手に入れば、作り方の1と2の手順の後、ペーストを入れ、お好みに味を調えるとお手軽にできます。
また、鍋料理(特に魚介の鍋。牡蠣やハマグリが入っているとサイコー!)をした後のスープをベースに、トムヤムペーストと海老、キノコ類を入れ、スダチをきゅきゅっと絞ると、かなり美味しいトムヤムクン風スープになります。キノコ類の味噌汁の残り(残るように多めに作るのがポイント:笑)を薄めて、トムヤムペーストと冷凍の海老でもお手軽にできます。

-----
トムヤムクン ペースト
いくつかのメーカーを試した結果、トムヤムクンペーストは、このメーカーが美味しかったです。
ココナツミルクを入れるとマイルドでまったりした味に。アサリのむき身(缶詰でも可)や海老のすり身団子を入れることもあります。春雨やそうめんを入れてトムヤムヌードルにしたり、ごはんを入れて雑炊にしても美味しいです。

Posted by AKIKO at November 21, 2005 05:20 PM | TrackBack
Comments
Post a comment









Remember personal info?